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2013年12月30日月曜日

この1年に起きた、生き物に関連した国際条約や法改正の動向☆

今年も残りわずか。
この1年に起きた、生き物に関連した国際条約や法改正の動向についてまとめてみました。

■2013年3月
ワシントン条約の第16回締結国会議(COP16)がバンコクで開催されました。
この会議にて、日本の在来生物では始めてとなるリュウキュウヤマガメの附属書IIへの掲載が決定しました。
もともとリュウキュウヤマガメは天然記念物に指定されている生物であるため、文化庁の許可が無くては国内での、捕獲、移動、取引は行えませんがこの決定により、ワシントン条約加盟国間における取引にも規制が敷かれる形となり、リュウキュウヤマガメが国際的に保護される形となりました。
附属書II掲載生物の商業目的のための国際取引には輸出国の許可証が必要となります。現在、日本はリュウキュウヤマガメの商業目的の輸出は認めていません。




■2013年6月
「種の保存法」が改正され罰則が強化されました。
これまでは最高でも「1年以下の懲役又は100万以下の罰金」でした。このたびの改正により、「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」法人が違反した場合は「5年以下の懲役又は1億円以下の罰金」に罰則が強化されています。

裏で取引される希少生物は、時に1匹あたり数百万円という高額な取引がなされるのに対して旧「種の保存法」は罰則が非常に甘いものでした。罰則が甘いため再犯を繰り返すケースや、流通時の書類である登録票を流用する不正もあとを絶たなかったという現状があったための改正のようです。

今回、「種の保存法」が改正され罰則が強化されたとはいえまだまだ、希少動物を保護するためのルールは不十分だと感じています。

「種の保存法」はワシントン条約対象種の輸出入規制を執行する役割も併せて担う国内法です。「種の保存法」は国内希少野生動植物種と、ワシントン条約附属書に掲載されている国際希少野生動植物種を対象としておりますが、その対象は附属書Ⅰ掲載の動植物のみです。(※ワシントン条約附属書IIの動植物は対象とされていません。)

日本の税関では、外為法および関税法によりワシントン条約附属書Ⅰの動植物はもちろん附属書IIの動植物の不正輸出入もチェックはしているのですが、こちらも十分なものとは言えません。
ワシントン条約に違反しているため税関の許可が受けられない貨物の輸入は,税関によって差し止められることになります。この場合輸入者は貨物の所有権を放棄するか、貨物の積み戻しあるいは再輸出を行うことになります。
この時事案が悪質な場合は「犯則事件」として処分されます。ですが、輸入差止め件数に対する犯則処分件数が決して多いといえないのが現状のようです。違反物件の輸入を差止め,その所有権を任意に放棄させるにとどまっているケースが非常に多いという実態らしいのです。

・ワシントン条約の違反物(正規の手続きを行っていないもの)を輸入し、税関で見つかっても罰則を受けないケースがある。(所有権放棄または再輸出のみ)
・ワシントン条約の違反物が税関をすり抜けて国内で流通した場合、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載されている動植物については「種の保存法」で取り締まり可能。ワシントン条約附属書IIの動植物については、不正を取り締まるのは難しい状況(法の未整備)。

また、税関はすべての貨物や手荷物を検査するわけではなく、また日本の税関にはワシントン条約あるいは野生生物専門の取締官が配置されていないという現状もあるようです。



■2013年9月
改正「動物愛護管理法」が施行されました。
改正の内容の1つが「終生飼養義務」です。
”動物取扱業者および飼い主は飼育したペットを終生責任を持って飼育する義務を負う”このことが法律の中に明記されました。
これにより、「飼い主が買いきれなくなった」場合や、業者都合で「販売しきれなくなった」場合など、動物の引き取りを保健所などの機関に求めても、機関は依頼を拒否できることを法律上認めました。受け入れるか否かの判断は各機関(自治体)に委ねられる形となりました。

「販売時の現物確認・対面販売の義務化」も今回の法改正に盛り込まれた内容です。実質的にインターネット販売の規制です。(販売者と購入者が顔を合わせない販売)

また、「関連法違反で業の取消し」も法律に明記されました。
化製場法、狂犬病予防法、種の保存法、鳥獣保護法、外来生物法の関連条項が規定され、これに違反し罰金刑以上を受けた場合には、第一種動物取扱業の登録の拒否や取消しができるようになりました。

その他にも「多頭飼育崩壊の予防措置」「虐待の定義と罰則強化」などなど、、今回の「動物愛護管理法」改正は大きく内容の追加および変更がなされました。


ルールを守り、豊かな自然と健全な生物多様性が保たれていてこそ、私たちはペットとして爬虫類の飼育や繁殖を楽しむことが出来るのだと思います。2014年もこの趣味を楽しみたいと思います。

今年も無事に、このブログを続けることが出来ました。
いつも見て頂いている方々に感謝いたします。

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